当寺 絵手紙クラブの講師を務めていらっしゃる磯野孝子先生のご家族が、夏休みを利用して8月1日より被災地大槌を訪れました。
孝子先生のお孫さん悠暉くん(小4)は、絵手紙クラブが被災地との交流を始めて以来、大槌町の仮設住宅に住む小国兼太郎さんとお便りのやり取りを続けていました。
今年のお正月に兼太郎さんから丁寧なお便りと贈り物をいただき、「これは会いにいくしかない!」とのお母様のお言葉に、ご家族で大槌への遠征を決意。夏休みはよくディズニーランドへお出かけされていたのですが、今年は被災地大槌へ足を運ばれることになりました。
孝子先生と娘さん、その子供さんである悠暉くんとお姉さんの美那さん(中2)。実は美那さんも2年前、当寺の子ども会行事で腕輪念珠を大槌町に送った際、美那さんの書いたお便りが偶然兼太郎さんの手に渡りお返事をいただいている、という不思議なご縁がありました。
仮設住宅での対面は、兼太郎さんの前で悠暉くんと美那さんがあらかじめ準備してきたお手紙を読み、気持ちを伝えるというものでした。少し気恥ずかしそうにするふたりに、「よく大槌まで来てくれた。」と涙ながらに感謝する兼太郎さん。今回私も同行させていただきましたが、このおじいちゃんと子どもたちとのやり取りは、本当に感動的なものでした。
その後、ご姉弟中心にお抹茶をたてて仮設住宅の方々にもおふるまいをして交流。孝子先生の絵手紙指導や、被災地で育てた藍の葉っぱを使ってみんなで藍染をしたりと盛りだくさんの内容で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
ご一家は被災した地域を回って被害の跡を見たりお参りもし、被災地の今を感じ取っていかれました。まだ若いご姉弟には、被災地のことやおじいちゃんたちの人生のこと、今はよくわからない部分も多いかもしれませんが、遠い東北の地へ足を運び皆さんにお会いしたことは決して忘れないと思います。そしていつの日か何かあった時にこの時のことを思い出し、その時にこそこの出会いは彼ら自身の人生に大きな意味を問いかけてくれるのではないでしょうか。
彼らにとって被災地の方々との出会いは、「人生への種まき」そんな気がします。出会った方々は若い彼らの中に種となって生き続け、いつか大きな意味を持った芽を吹くのではと感じています。そういう意味でも、今回の訪問に感謝するのは被災地の方々ではなく、こちらのほうなのではないかと思います。この気持ちは東北の地を訪れるたびにいつも感じることです。
最後になりましたが、この訪問を決意し計画して下さったお母様と孝子先生に心より感謝します。おふたりのお気持ちがなければ実現しなかったことです。本当にありがとうございました。
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